夕方から冷たい雨が降り始め、今夜は一番の寒さかもしれないという中、それでも来て下さった多くのお客様に囲まれ、静かにコンサートが始まりました。
チェロ&ギターの組み合わせはとても珍しく、めったに演奏されることはありません。二つの楽器が殆ど同じ音域を持つ弦楽器であるということ、しかし発音の仕方は異なるということ、この特徴から織り成される独特の響きに、これまで体験したことのないような新鮮な音楽の世界を感じたのでした。
ジャズピアニスト、チック・コリアのピアノ独奏のための曲集「チルドレンズ・ソング」の弾むようなおもしろい曲から、藤井眞吾の書き下ろしの4つの楽章からなる「チェロとギターの為のソナタ」(初演)でクライマックスを迎えるまで、二つの楽器の響きはますます豊かになり、身も心も温まって、お客様は再び雨の中を帰られたのでした。
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